ドローン実技試験で「なぜか減点された」「何が悪かったのかわからない」と悩む声が多く聞かれます。
特に初心者や独学で練習している方にとって、試験官の評価基準や減点されやすいポイントは見えにくいものです。
実は、合格率に差がつくのは「技術」だけではなく、「評価のしくみを知っていたかどうか」にあるんです。
本記事では、元小学校教師で現在は教育ライターとして親子でドローン国家資格取得に取り組む筆者が、実体験をもとに“よくある減点理由”と“その対処法”を徹底的に整理しました。
- 試験官が見ている操作と減点ルールの全体像
- ありがちな失敗操作TOP5とその防止策
- 合格者がやっている姿勢・視線・準備の工夫
- 本番前に差が出る直前チェックリスト
この記事を読めば、「どこで減点されるのか」が明確になり、あなたの試験対策は一段と実践的になります。
ドローン実技試験で減点される操作と評価のしくみを理解する
ドローンの実技試験では、単に機体を飛ばせるかどうかではなく、一つひとつの操作が「意図通りかつ安全であるか」が問われます。
そしてその評価は、「加点方式」ではなく「減点方式」で進んでいく点が、実技試験の特徴です。
つまり、ミスをしないこと、減点されないことが合格への鍵なのです。
ここではまず、評価の視点・減点基準・その影響について理解しておきましょう。
試験官が注目する操作と安全確認のチェックポイント
実技試験の試験官は、機体の安定性だけでなく、受験者の姿勢・視線・確認動作までを注視しています。
たとえば、飛行前のプロペラチェック、離陸後のホバリング安定、旋回時の視線配りなど、「操作の前後に安全確認が伴っているか」が重要な評価軸となります。
ドローンは操作が視覚的にわかりにくいため、「安全確認を声に出して示す」ことも推奨されます。

私は試験直前まで無言で操作してしまい、後日振り返ると安全意識のアピールが不足していたなと感じました。
採点ルールにおける減点のされ方と累積の影響
採点は、「各課題ごとに満点が設定されており、操作や安全確認の不備ごとに減点」されていく方式です。
たとえば、ホバリング中の高度変動で▲5点、確認忘れで▲3点など、小さなミスでも積み重なると不合格ラインに達するため油断できません。
- 離陸前の周囲確認忘れ:▲3点
- 飛行中の高度変動(±1m以上):▲5点
- 飛行経路逸脱(旋回軌道がずれる):▲4点
- 着陸後の確認動作省略:▲2点
このように、1つひとつは小さな減点でも、「終わってみたら合格点に届いていなかった」というケースが多いのです。
減点されない受け答えと飛行準備のコツ
減点回避の鍵となるのが「声かけ」「確認の一言」「安全意識の見える化」です。
たとえば、飛行開始前に「プロペラ確認・GPS確認・風向き確認、異常なし」と口にすることで、試験官に意図が伝わります。
また、プロポを握る前の手順確認、周囲の安全確認も丁寧に行うと減点リスクを避けられます。



私は「今、プロペラの状態を確認します」と声を出すようにしてから、試験官が頷いてくれるのが見えて安心できました。
受け答えにおいても、聞かれたことに簡潔に「はい、確認済みです」「プロポの異常はありません」と返す姿勢が評価されます。
緊張すると沈黙しがちですが、安全確認とその説明は、操作と同じくらい評価対象になると心得ましょう。
減点されやすいドローン操作TOP5と私が試した回避法
減点を避けるためには、試験でありがちな失敗操作を事前に把握しておくことが欠かせません。
私自身が受験の準備をする中で、「これは落ちる原因になるな」と感じた動作や、試験中に他の受験者が注意されていた点をもとに、特に注意すべき5つの操作を挙げてみます。
①高度の上下が安定しない飛行
ホバリング中や旋回中に高度が上下してしまうと、±1m以上の変動で減点対象になります。
手元のスロットル操作が不安定な場合や、風の影響を受けやすい屋外では特に注意が必要です。
私はまず、指先の力を一定に保つ練習を徹底しました。
- 操縦時の右手人差し指に力が入りすぎないように意識
- 事前に室内シミュレーターでホバリング精度を確認
- GPSの精度が下がる風のある日は、手動調整の練習に切り替える



私も風速3mの日に無理して練習し、かえって自信を失ったことがあります。
安定しない日は「今日は無理に飛ばさない」と判断するのも重要です。
風が強い日の飛行対策についてもっと知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。


②GPS依存のまま手動操作に切り替えられない
GPSモードでは機体が自動的に姿勢制御をしてくれますが、試験ではGPSに頼りすぎた操作は評価されません。
特に、「急にGPSが途切れたときに機体を立て直せない」状態は致命的です。
そのため、GPSありとなしの操作感の違いを体感しておく必要があります。
私の場合は、屋外練習では最初の5分間をあえてGPSなしでスタートし、感覚を慣らしておくようにしていました。



GPSが切れても動じない「手の記憶」が、後の試験で大きな自信になりました。
③ホバリング時に機体が流れる・傾く
ホバリング中に風に流されたり、機体が斜めになると「姿勢制御不安定」として減点されることがあります。
これは姿勢制御スティックの操作だけでなく、立ち位置と風向きを意識できているかにも関わってきます。
私は、練習時に「風に背を向ける立ち位置」をルールにし、斜めになる癖を動画で確認して矯正しました。
ホバリング位置が流れやすい場合は、地面にマーカーを置いて「見える目印」を作ると修正が効きやすくなります。
ほんの数十センチのズレでも、試験官の目は見逃しません。
④着陸時にバウンドや機体傾きが発生する
着陸がガタンとバウンドしたり、斜めに着地すると減点対象になります。
着陸は試験の締めくくりであるため、安定してスッと機体が接地することが高評価につながります。
私が実践したのは、着地直前のスロットル微調整と、「浮かせたまま2秒静止」する習慣です。
これにより、緊張していても落ち着いて操作できるようになりました。



着陸のときに息を止めていたのですが、「一呼吸おいてから降ろす」ことで余裕が持てました。
⑤確認動作の省略や周囲安全配慮の欠如
最後に見落としがちな減点ポイントが、確認動作の不足や、周囲への配慮の欠如です。
飛ばすことばかりに意識が向くと、周囲確認や終了時の安全宣言などを忘れてしまいがちです。
私は、操作前に「安全確認ルーティン」を口に出すことで、忘れないよう習慣化しました。



慣れてくるほど確認を省きがちになるので、自分で自分に注意するようにしています。
確認動作は「見せる・言う・指差す」までセットで行うと、試験官にも伝わりやすくなります。
ドローン試験合格者が意識する操作姿勢と視線の使い方
ドローンの実技試験では、飛ばし方だけでなく、操縦者自身の姿勢や視線の配り方も減点や評価に大きく関わります。
どれだけ操作が上手でも、視線がモニターに固定されすぎていたり、姿勢が崩れていると、「安全配慮が不足している」と判断されることがあるのです。
ここでは、私が試験前に意識して矯正したポイントを中心に、合格者が実践している姿勢・視線の使い方を紹介します。
スティック操作を安定させる手の角度と握り方
ドローンの操作において、手の角度や力の入れ方は意外と重要です。
特にスロットルの微調整では、手首が浮いていたり、親指で押し込むような握り方になっていると、細かい制御が難しくなります。
- プロポは胸の前、肩幅に近い位置で保持
- 親指は指先だけで軽くスティックに触れる程度
- 手首は固定せず、ひじの動きで支える
私は、練習中に自分の手元をスマホで撮影し、「変に力んでいないか」をチェックするようにしていました。



プロポに力を入れすぎて、終わる頃には手が疲れていたので「力を抜く」のも練習だと実感しました。
飛行中に視線を配るコツと確認タイミング
視線の使い方は、安全確認と操縦の両立を示す上で非常に大切です。
ずっと機体を見つめていても、周囲の状況が見えていなければ減点につながります。
私が意識していたのは、ホバリング中や旋回の合間に、定期的に周囲を見回すことでした。
それだけでなく、視線を移した際に「安全確認、異常なし」と口に出すことで、確認動作としてカウントされることが増えました。



試験中は無意識に視線が固定されがちですが、タイミングを決めて首を回すようにしただけで評価が安定しました。
視線の配り方や目視外飛行のルールを押さえたい方は、こちらの記事を読むと理解が深まります。


着陸まで崩れない姿勢を作る立ち位置の工夫
試験中、最も緊張するのが最後の着陸です。
この時に姿勢が崩れたり、足元がふらついてしまうと、操作にも乱れが出てしまいます。
私は、立ち位置を「やや後ろ重心」にして膝を軽く曲げることで、軸が安定することを学びました。
また、足元に置いた養生テープで「この範囲から動かない」と決めると、無意識の体のブレも減りました。
- 機体の進行方向と自分の正面を常に一致させる
- 足幅は肩幅よりやや広めに開き、重心を下げる
- 周囲に障害物がないか事前に足元確認
飛ばすスキルだけでなく、「見られている意識」を持った立ち姿が、合格を引き寄せる要素になります。
ドローン試験本番前に差がつく!減点を防ぐ直前チェックリスト
実技試験は、当日の緊張感や天候によって思わぬミスが起きやすくなります。
どれだけ準備していても、「当日仕様の練習」をしていないと、本番で力を発揮できないこともあります。
ここでは、試験前の“最後の詰め”として、私が実践して効果を感じた減点防止のチェック項目を紹介します。
本番と同じ時間帯・風速で練習して感覚を合わせる
意外と見落とされがちなのが、「本番と同じ条件での練習」です。
たとえば、試験が午前9時開始なら、練習も同じ時間帯に設定することで、日差しの角度・風の強さ・気温などの感覚を事前に身体に覚えさせることができます。
私は、実際に試験と同じ会場に下見に行き、朝の風の流れや障害物の位置を確認しました。



同じ時間に練習しただけで、朝特有の光の眩しさや風のクセに慣れることができて、当日も焦りませんでした。
過去の減点パターンをリスト化して潰す作業
練習を重ねていく中で、毎回ミスする動作や曖昧な操作がある場合は、それを「減点候補リスト」として明文化して潰していく作業が非常に有効です。
私の場合は、練習日ごとに動画を見返して、「今日の失敗」「気になった点」をノートにまとめていました。
- ホバリングが1.5mで安定しない:スロットル操作の見直し
- 確認動作を声に出していない:練習中から「異常なし」と発声
- 旋回時に視線が偏る:1秒ごとに視線を左右に振る練習
このように、ミスを客観視することで「本番でやってはいけないこと」が明確になります。
第三者チェックで気づけるクセと動作の改善点
自分ひとりの練習では、クセやミスを見落としてしまうことがあります。
そこで私は、家族に撮影してもらったり、元受験者の知人に見てもらう機会をつくりました。
特に有効だったのが、「姿勢が前のめりになっていてバランスが悪く見える」という指摘でした。
それ以来、練習では必ずスマホを後方に設置して、全身を録画するようにしています。



自分では気づかなかった「肩の力み」や「足の開き具合」も見直せたのが大きかったです。
他人の視点を借りることは、減点リスクを客観的に潰す近道になります。
まとめ:ドローン実技試験で減点を回避し合格率を上げる戦略
ここまで、私自身の体験をもとに、ドローン実技試験で減点されやすい操作や注意点、事前対策まで幅広くお伝えしてきました。
合格のカギは、「完璧に飛ばすこと」よりも「減点されない動作を習慣にすること」にあると私は考えています。
私が受かったときの練習頻度とシミュレーター併用法
私が合格したときの練習スケジュールは、週3回の実機練習+毎晩15分のシミュレーターという構成でした。
特に平日の夜は、子どもが寝たあとに静かな室内でシミュレーターを使い、スロットルの指慣らしと確認動作の発声練習を繰り返していました。
また、録画した練習映像を翌朝家族と一緒に見返すことで、家族の視点から「ここミスってるよ」と言ってもらえたのも励みになりました。



練習を「孤独な作業」ではなく、家族との会話のきっかけにできたことが、自分の継続力につながったと思っています。
減点対策は的確な操作だけでなく“メンタルの強さ”で決まる
実技試験で多くの人が減点される理由は、スキル不足よりも緊張による判断ミスや確認漏れです。
つまり、減点を防ぐためには操作の精度と同じくらい「本番に動じない心構え」が重要になります。
私の場合、練習時から「本番を想定して1回勝負で通す」日を設けたり、タイマーを使って制限時間内にすべての動作を終える訓練を重ねました。
- 前日に「明日の確認事項リスト」を手帳に書き出す
- 朝にルーティン化した深呼吸と肩回しストレッチを実施
- 会場では他人を見ず、機体のことだけに集中する
そして何より、「もし落ちても、次がある」と自分に言い聞かせて、肩の力を抜いて臨んだことが成功の要因だったと感じています。
減点を避ける戦略とは、技術だけでなく習慣と心構えの設計図それが私の実感です。